トップインタビュー(第16回)

地方企業は考える。だから強い

2016.07.06

クリップについて

アイリスオーヤマ社長 大山健太郎氏

 持ち前の起業家精神で、東北を代表する企業を育てた。勝因は、「ユーザーイン」で需要を創造し続けたこと。生活者目線、働く人優先の経営に転換することを求める。

── 2015年のキーワードを挙げるなら、私は「地方創生」と「人手不足」だったと思います。

大山:確かに、人を採用するために、多くの企業が地方に目を向けていますからね。東京の人口は約1300万人。市場が巨大だから企業も経済効率を求め、東京に集まりました。はっきり言って、通勤に往復で2時間も3時間もかかる東京は、生活者にとっては不便です。物価も高い。それは分かっているけど、これまでは地方に働き口が少なかったから若者は都市に出ました。

 その流れを変えたのが、人口減少です。団塊世代が生まれた頃に約270万人だった出生数は年々減少して今や約100万人。当然、人手不足になる。直近の宮城県の有効求人倍率は約1・4倍です。県外からも企業が採用に来ており、引く手あまたです。

──本人が望めば、地方の人が地元でみんな就職できる時代です。

大山:東京で年収600万円の人と、地方で年収500万円の人を比べれば、収入が低くても、物価が安くて土地も広い地方のほうが豊かに暮らせますから、地元で就職したいと思う人が増えるのは自然でしょう。

 既に、企業が地方から東京に人を呼ぶのではなく、企業が地方に行き、そこで採用する動きが始まっています。経営は、企業優先から働く人優先に変わる。働く人が快適に暮らしやすい場所に、企業が行かなければならない。まさしく地方の時代です。

 米国では、早くから地方に目が向いていますね。例えばシアトルにはボーイング、マイクロソフト、アマゾン、スターバックスなどの本社・本拠がある。

 カナダの南に位置するシアトルは、マーケットとしては最悪の場所だと思います。なぜ、そんな田舎町に本拠を置いているのかというと、生活が快適でいい人材が集まるからです。市場の大きさじゃないんです。

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大山 健太郎(おおやま・けんたろう)

大山 健太郎(おおやま・けんたろう)

1945年生まれ。大阪で父親が経営していたプラスチック加工の大山ブロー工業所を、父の急死に伴い、19歳で引き継ぐ。71年に株式会社化。園芸用品などの製造卸に転じて業績を伸ばす。89年に本社を仙台市に移転。91年、アイリスオーヤマに社名変更。売上高は3030億円(2014年12月期、グループ合計)

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