システム構築のための調整力向上講座(第36回)

常に決まった意思決定のプロセスで判断する重要性

2018.09.13

クリップについて

 プロジェクトをあるべき方向に導くためには、いかに協力者をつくり、説得するかがカギです。その際に欠かすことのできない技――人を巻き込み、説得する力を発揮するための「意思決定プロセス」について解説します。

 プロジェクトを管理する立場にある現場リーダーは、プロジェクトを軌道に乗せておくために、あらゆる工夫をします。綿密な計画を立て、慎重にモニタリングし、進捗が遅れれば是正処置を取ります。それでも、想定通りに進むことは、まずありません。

 進捗が遅れれば、スケジュールを延ばすのか、リソースを追加するのか、メンバーを入れ替えるのか、判断しなくてはなりません。場合によっては要件を縮小する必要があります。こうした意思決定の場面が、経験豊かな現場リーダーと、そうでない人との違いが最も表れるところなのです。

デキる人は意思決定プロセスを持つ

 現場リーダーの意思決定能力は、プロジェクトに直接的に影響します。特に、想定外の問題が発生したときに判断を間違えれば、会社や組織にもダメージを与えることすらあります。

 意思決定の方法論として知られるものの1つに「ケプナー・トリゴー・メソッド」があります。この方法論を開発した、チャールズ・ケプナー氏とベンジャミン・トリゴー氏は、優れた管理者たちが共通の特徴を持っていることを発見しました。

 その特徴とは、(1)自分自身の意思決定のプロセスを説明できる(2)意思決定プロセスがシンプルである(3)問題の大小にかかわらず同じ意思決定プロセスを用いる、というものです(図1)。

 リーダーたちは意思決定を求められるとき、たいてい決まって同じことを聞きます。私のかつての上司は「ほかに方法はないか?」「その方法を採ったときに起き得る問題は何か?」と尋ねるのが常でした。質問が同じであることは、決まったプロセスで判断していることを示しています。

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執筆=芝本 秀徳

執筆=芝本 秀徳プロセスデザインエージェント代表取締役

プロセスコンサルタント、戦略実行ファシリテーター。品質と納期が絶対の世界に身を置き、ソフトウエアベンダーにおいて大手自動車部品メーカー、大手エレクトロニクスメーカーのソフトウエア開発に携わる。現在は「人と組織の実行品質を高める」 ことを主眼に、PMO構築支援、ベンダーマネジメント支援、戦略構築からプロジェクトのモニタリング、実行までを一貫して支援するファシリテーション型コンサルティングを行う。

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