懐かしのヒット商品(第7回)

最先端技術でなくても勝機あり「フラワーロック」

2017.05.29

クリップについて

 1988年、玩具メーカーのタカラ(現在のタカラトミー)から、一風変わったおもちゃが発売されました。サングラスを掛け、ギターを持ったひまわりのような花の人形「フラワーロック」です。

 フラワーロックが当時の人を驚かせたのは、「近づいた人の声や物音に反応する」という仕組みでした。人が近づき、話しかけたり手をたたいたりすると、クネクネと身体をくねらせてダンスを踊り始めるのです。

 これが大受けし、海外へも展開もされ、総計850万個を売り上げました。発売元のタカラの株価も急上昇し、「フラワー相場」という言葉が生まれるほどのヒット商品となりました。

店頭に置くだけで人が集まる

 フラワーロックは、販売する店側に思わぬメリットをもたらしました。「客寄せ」の効果です。

 当時の人たちは、店頭に置かれたフラワーロックの奇妙なダンスに足を止め、その商品とたわむれている人々の姿に、さらに通行人が誘い込まれます。もともとヒット商品の上、店頭にディスプレーしておくだけで宣伝になるので、店にステップインさせる効果もある「一石二鳥」のアイテムだったのです。

 しかも、ペットのように餌代や世話する手間もいらず、人間の呼び込みと違って人件費も発生しません。電池さえ入れておけば、勝手にお客さんを楽しませてくれるのです。

 花がサングラスを掛けているという、派手でユーモラスでとぼけた外見も、当時のバブルの世相にマッチしました。海外ではパーティーグッズとして使われた事例もあったようです。

同種のヒット作は「ゲームボーイ」… 続きを読む

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執筆=味志 和彦

執筆=味志 和彦

佐賀県生まれ。産業技術の研究者を経て雑誌記者など。現在コラムニスト、シナリオライター。

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