集中連載 会社を傾ける社員の不正を許さない(第2回)

不正対策の専門家が指南する防止策の勘所

2017.02.27

クリップについて

 預金、棚卸し資産、売掛金というリスクポイントに対して、どのような方法で不正を防ぐ仕組みを取り入れればいいのか。中堅中小企業の不正に詳しい公認会計士・税理士の對馬英年氏に、不正の対策を尋ねた。

──リスクポイントは分かりましたが、それに対処するときのコツのようなものはありますか。

對馬:「見られる化」です。経営者の皆さんは「見える化」という言葉を知っていると思いますが、不正対策で使うのは「見られる化」。

 これは、社員が人の目を意識する状態をつくることです。例えば現金を数えるときに、別の社員を立ち会わせるだけでも、不正の抑止効果が働きます。

 毎回、現金を数え直すのは手間がかかるかもしれませんが、そこまでせず、そばに誰かがいるだけでもいい。

 私はいろいろな不正事案に携わってきましたが、最初からお金に困って盗みを働くという人は案外少ないものです。不正を働き、お金が自由に使えるようになってから愛人やギャンブルにはまり、その結果としてお金に困るというパターンが多いのです。

 欧米企業の内部不正では、最初からお金に困っていたという動機が目立つようですが、日本人の場合は入り口が違う。日本人は「人に見られているか、いないか」。これが不正の発生を左右するというのが、私の実感です。

 だから金庫を開けるときも「金庫を開けますよ」と声を出すルールをつくるといい。そうすればフロアの誰かが金庫のほうを見ます。見られている状況で、盗むというのはなかなかできない。

 また、仕事の進捗を逐一報告させるようにすることでも、社員は「会社に見られているのだな」という意識が働きます。日次決算、少なくとも月次決算を導入すれば、日々の仕事の行動、結果がディスクローズ(公開)されますから、不正を防ぐことになります。

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