ロングセラー商品に学ぶ、ビジネスの勘所(第5回)

「定番」と「新しい東京」を見せ続けるはとバス

2019.04.23

クリップについて

 インバウンド需要に沸く日本。中でも首都・東京は、年間に延べ5億人以上が訪れる一大観光都市になりました。その東京の代表的な観光手段といえば、黄色い車体に赤いロゴの入った「はとバス」です。はとバスは、2018年に創業70周年を迎えた老舗企業。押しも押されもせぬ観光業界のロングセラーです。

 はとバスの前身に当たる新日本観光は、1948年8月に設立されました。設立の中心となったのは、東京地下鉄道(現・東京地下鉄)出身で東京都交通局に勤務経験を持つ山本龍男でした。

 当時はまだ、戦後の混乱が収まっていない時代。食料や生活用品の確保が困難で、人々の多くは観光の余裕などありませんでした。しかし龍男は、復興したら観光事業が重要になると考え、いち早く観光バス事業に乗り出します。

 龍男は「内外人を対象として、内は国内観光に新時代にして快適なサービスを供する」「外は国際観光客に対して本事業を通じて新生平和日本の真の姿を紹介」することを趣旨に掲げ、新日本観光を設立しました。物資の不足が著しく、バスは中古バスを集め、燃料は廃油まで利用しなければならないような状況でしたが、1949年1月1日に新日本観光は最初の観光バスを走らせました。行き先は、成田山新勝寺。成田山初詣の団体貸し切りバスです。

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執筆=山本 貴也

執筆=山本 貴也

出版社勤務を経て、フリーランスの編集者・ライターとして活動。投資、ビジネス分野を中心に書籍・雑誌・WEBの編集・執筆を手掛け、「日経マネー」「ロイター.co.jp」などのコンテンツ制作に携わる。書籍はビジネス関連を中心に50冊以上を編集、執筆。

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