ロングセラー商品に学ぶ、ビジネスの勘所(第7回)

ポッキーを生み出した「2センチの飛躍」

2019.06.28

クリップについて

 つかんで食べても手が汚れないスティック状のチョコレート菓子「ポッキー」は、1966年に販売が開始されました。今や世界30カ国以上で販売され、累計の売上個数が100億箱を超えるという世界的に愛されているロングセラー菓子です。

グリコやビスコが初期のヒット商品

 ポッキーを販売する江崎グリコは、1922年の創業。菓子の種類がまだ限られていた時代、キャラメルの「グリコ」やビスケットの「ビスコ」といった人気商品を発売し、業績を伸ばしました。

 戦後を迎え、世の中の菓子の種類が多様化すると他の菓子メーカーとの競争が激化します。江崎グリコも1950年代から60年代初頭にかけて次々に新商品を開発しますが、大ヒットとまではいきません。そこで、創業社長である江崎利一が「他社の強力な商品とまともに競争してはならない。差別的優位性を持った製品を開発すること」と号令をかけます。狙ったのは、10年のライフサイクルを持ち、年間の売り上げが10億円に達する基幹製品の開発です。

 その頃、江崎グリコが発売した商品に「バタープリッツ」がありました。1963年に販売を開始したバタープリッツは、ドイツでおつまみとして親しまれているプレッツェルにヒントを得たスティック状のスナック菓子です。子どもからも大人からも人気を集めていました。

 当時、日本の菓子市場の中で、チョコレートといえば板チョコが全盛期となっていました。一方、欧米ではすでにライトなチョコレート菓子が人気となっており、日本でも手軽に楽しめるチョコレート菓子が求められる可能性がありました。

まったく新しいチョコレート菓子への挑戦… 続きを読む

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執筆=山本 貴也

執筆=山本 貴也

出版社勤務を経て、フリーランスの編集者・ライターとして活動。投資、ビジネス分野を中心に書籍・雑誌・WEBの編集・執筆を手掛け、「日経マネー」「ロイター.co.jp」などのコンテンツ制作に携わる。書籍はビジネス関連を中心に50冊以上を編集、執筆。

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