視点を変えて可能性を広げるITの新活用術(第12回)
きちんと知っておきたい!便利な「フリーWi-Fi」活用のポイント
公開日:2020.09.29
2020年は緊急事態宣言の発令も相まって、テレワークの普及が一気に進みました。テレワークではリモートでコミュニケーションを取る必要があり、そこで活用されるシステムの1つがWeb会議です。Web会議はテレワークのためだけでなく、従来の対面での会議に変わる新しい会議の形として注目を集めています。
今回は、Web会議と一緒に語られることの多いテレワークについて説明するとともに、Web会議の概要や導入の効果・メリット、導入する際のポイントを解説します。
近年、Web会議は新しい会議の形として注目されていますが、その理由をご存じでしょうか。ここでは、Web会議が注目される時代背景とあわせて、テレワークについても簡単に紹介します。
<注目される時代背景>
Web会議が注目される時代背景としては、次の3つの項目が考えられます。
・ネット環境とデバイスの普及
・働き方改革によるテレワークの推進
・緊急事態宣言の発令
近年はインターネット環境が整備され、パソコンやスマートフォンなど、Web会議を行うデバイスが普及しています。Web会議を簡単に導入できる環境が整ったことが、注目される理由の1つです。
また、2019年に施行された働き方改革関連法の中で、新しい働き方の形としてテレワークが推進されたのも大きく影響しています。テレワークの普及を支える存在としてWeb会議は欠かせないことから、より関心が寄せられるようになりました。
そして2020年には緊急事態宣言が発令されました。日本でも外出自粛要請や3密回避など、対面でのコミュニケーションが難しくなり、テレワークの普及が一気に進んだといえるでしょう。そんな中で、Web会議は仕事での利用はもちろん、個人間でも利用されるようになり、注目を集める存在となりました。
<そもそもテレワークとは>
働き方改革でも推進されるテレワークですが、そもそも具体的にどのようなことを指しているか分からない方もいるかもしれません。テレワークとは勤労形態の一種で、場所や時間にとらわれない働き方を表します。
「テレ」(tele=離れた場所)と「ワーク」(work=働く)を合わせた造語で、従来のオフィスに出社して働く形ではなく、自宅やカフェ・移動中などでも働くのが可能な勤労形態です。
テレワークは働く場所によって次の3つに分けられます。
(1)在宅勤務
自宅で主にパソコンを利用して業務を行う働き方
(2)モバイルワーク
外出先や移動中にパソコンやスマートフォンを利用する働き方
(3)施設利用勤務
勤務先以外のオフィススペースでパソコンなどを利用する働き方
妊娠や育児、介護により、従来の働き方で従事するのが難しい方でも、テレワークを活用すれば働ける場合があります。従来の働き方にとらわれない、新しい働き方の形としてテレワークが注目されているのです。
Web会議を上手に活用できればさまざまな効果・メリットが得られます。ここでは、Web会議の概要から導入の効果・メリットについて1つずつ見ていきましょう。
<Web会議の概要>
Web会議はインターネットを通じて行う会議システムで、パソコンやスマートフォンさえあれば時間や場所を問わずに簡単に利用できるものです。Web会議の種類は大別すると「クラウド型」と「オンプレミス型」に分けられますが、近年ではクラウド型が主流です。
・クラウド型……インターネット上のサービスとしてWeb会議を利用する
・オンプレミス型……自社サーバー上にWeb会議システムを構築して利用する
また、Web会議と似たものとして「テレビ会議(ビデオ会議)」が挙げられますが、両者は別物であり、その仕組みは明確に異なります。両者の違いについては、こちらの記事でも詳しく解説していますので、興味のある方はぜひご参照ください。
<Web会議の効果・メリット>
Web会議を導入することで、次に挙げる5つの効果やメリットを得られます。
(1)移動時間を会議に当てられ、作業効率の向上が見込める
Web会議は、インターネットにつながるパソコンやスマートフォンがあれば、いつでもどこでも会議に参加できます。そのため、外出先や移動中でも会議に参加可能で、作業効率の向上が見込めます。
(2)出張経費の削減
取引や会議が遠隔地で行われる際には出張するのが一般的ですが、Web会議を活用できれば出張の必要性がなくなることも。インターネットは基本的には場所や時間を問わずに接続でき、遠隔地との会議も簡単に行えます。出張経費のコスト削減にも役立てられるのです。
(3)意思決定の迅速化
業務を進めるうえで、会議を通じて意思決定を行う機会は多いでしょう。しかし、会議を開くには場所の空き状況や使用可能時間の確認が必要なため、準備に時間がかかる場合もあります。Web会議であれば時間や場所を問わずに利用できるため、会議の設定が比較的簡単です。引いては、意思決定の迅速化につながります。
(4)情報共有をよりスピーディーにできる
Web会議の特徴は、映像や音声を利用してコミュニケーションを図れることだけではありません。パソコンやスマートフォンを利用するので、データの共有も行えます。そのため、コミュニケーションを図りながら必要な資料を送付するというように、即時的な情報共有が実現します。
(5)パンデミックや災害時の事業継続性の確保
パンデミック発生時には通常通りの業務が難しくなる可能性が高くなります。また、災害時も同様であり、事業の継続が危ぶまれることも。そんななかでも、Web会議を活用してコミュニケーションを図れれば、業務を継続できます。Web会議はパンデミックや災害など非常時の事業継続性を確保する点においても活用できるものなのです。
Web会議システムを導入する際には、次に挙げる5つのポイントに注意してサービスを選択しましょう。
(1)誰でも簡単に使えるか
Web会議システムを導入しても、操作が難しければ利用者が扱えない可能性が考えられます。そのため、誰でも簡単に使えるか、といった観点でシステムの利便性をチェックすることが重要です。
(2)同時接続できるアカウントの数
Web会議システムでは、同時接続できるアカウント数が制限されているものもあります。特に無料で利用できるWeb会議システムでは多人数での利用が想定されていない場合も。そのため、同時接続できるアカウントの数は必ずチェックしておきましょう。
(3)コストパフォーマンス
Web会議システムは無料で利用できるものもありますが、同時接続数や利用時間が制限される場合があります。Web会議を顧客との打ち合わせや、多人数での会議に利用する場合は、制限の少ない有料版を導入したほうがよい場合もあります。コストパフォーマンスにも注目して選択するのが望ましいでしょう。
(4)セキュリティ対策は適切か
Web会議システムを利用する場合は、サービスのセキュリティ対策をしっかりと確認しておきましょう。インターネットを利用するため、セキュリティ対策が適切でないと情報漏えいにつながる可能性があるからです。
(5)安定した接続ができるか
Web会議はインターネットを利用するため、接続環境・接続状況によって映像や音声の品質が変化します。どのような環境下でも安定して接続できるか、といった観点でもチェックが大切です。
Web会議は、インターネットにつながるパソコンやスマートフォンさえあれば、時間や場所にとらわれず実施することができます。そのため、テレワークとの相性がよく、近年の働き方改革の流れのなかで、テレワークとともに注目が集まっています。Web会議システムを導入する際には、利便性や同時接続できるアカウント数、セキュリティ対策などのポイントに着目し、最適なシステムを選択しましょう。業務効率化やコスト削減の効果・メリットも得られますので、この機会にWeb会議を導入してみてはいかがでしょうか。
テレワークやWeb会議の導入・運用を検討する中で、お悩みの方もいるでしょう。NTT西日本では、よくあるテレワークのお悩みに対応が期待できる「パソコンおまかせプラン(Microsoft365 Business Standardプランの場合)」をご用意しております。例えば、テレワークのお悩みとして次のことが考えられます。
・スケジュールや資料を共有したい
・場所を選ばずに会社データにアクセスしたい
パソコンおまかせプラン(Microsoft365 Business Standardプランの場合)は、これらのお悩みの解消が期待できるサービスです。テレワークは2019年4月に施行された「働き方改革関連法」でも推奨される働き方であり、今後はさらに普及が予想されます。テレワーク・Web会議システムの導入でお悩みの方は、ぜひ「パソコンおまかせプラン」にお任せください。
※掲載している情報は、記事執筆時点のものです
執筆=太田 勇輔
ネットワークスペシャリスト、情報セキュリティスペシャリスト保有。インフラエンジニアとして、官公庁や銀行などのシステム更改をメインに10年従事した後、IT関連ライターとして活動中。プログラミング、ネットワーク、セキュリティなどの解説記事を中心に執筆している。
【M】
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